2024年10月26日

こんにちは、院長の前川です。今回は矯正治療で使用される「矯正用アンカースクリュー」について詳しく解説いたします。この治療法は、特に難しい歯の動きが求められる矯正治療において非常に重要な役割を果たします。
矯正用アンカースクリューとは?
矯正用アンカースクリュー(TAD: Temporary Anchorage Device)は、歯列矯正の治療中に歯を効率的に動かすために、一時的に歯茎や骨に埋め込む小さなスクリューです。スクリューをアンカー(固定点)として活用することで、通常の矯正器具では難しい正確な歯の移動が可能になります。
矯正用アンカースクリューは歯の移動を安定させるための土台として役立ち、目的の歯を計画通りに動かすための補助役を担います。
矯正用アンカースクリューの役割と利点
- 確実な固定:矯正用アンカースクリューは強力な固定点となるため、他の歯に負担をかけずに確実な歯の移動が可能です。
- 効率的な歯の移動:歯を効率よく移動させられるため、治療の進行が早くなります。
- 複雑な治療にも対応:奥歯の移動や前歯の突出改善など、複雑な矯正治療に力を発揮します。
矯正用アンカースクリューが特に活躍するケース
- 上顎前突(上の歯が前方に出ている)
- 叢生(歯が重なり合っている状態)
- 奥歯の移動が必要な場合
矯正用アンカースクリューは、特に複雑な歯の動きが必要な症例で使用されます。例えば、奥歯を後ろに移動させたいときや、上顎前突を改善したい場合に役立ちます。
矯正用アンカースクリューの埋入方法
矯正用アンカースクリューの埋入プロセスについて、以下にわかりやすくご説明します。このプロセスは、痛みを最小限に抑えつつ安全に行われる短時間の処置です。
1. 局所麻酔
まず、処置を行う部位に局所麻酔をします。これは、歯茎や顎の骨に痛みを感じさせないためで、施術中はほとんど痛みを感じることなく進められます。
2. スクリューの挿入
麻酔が効いたら、専用の小さなドリルや器具を使って、歯茎の表面をわずかに開け、矯正用アンカースクリューを骨にゆっくりと埋め込みます。スクリューは非常に小さく、歯科矯正に特化したものです。
3. 固定と調整
スクリューが骨にしっかりと固定された後、矯正用のゴムバンドやワイヤーを取り付け、移動させたい歯に軽く引っ張る力をかけます。これによって、歯が正しい方向に移動できるようにサポートされます。
4. 経過観察とメンテナンス
埋入後も、スクリュー周辺を清潔に保つことが大切です。歯磨きの際はスクリュー部分も注意して清掃し、定期的な経過観察を受けることでトラブルを防ぎます。歯の移動が完了したら、スクリューは簡単に取り外せます。
矯正用アンカースクリューは、通常の矯正治療では難しい歯の移動をサポートし、よりスムーズで効率的な治療を実現します。
まとめ
矯正用アンカースクリューは、従来の方法では難しかった歯の移動を実現し、より精度の高い矯正治療を可能にする大切な装置です。上顎前突や叢生などの症例にも適用でき、治療の幅を広げています。興味を持たれた方は、ぜひ一度つばさ矯正歯科でご相談ください。