2025年2月27日

院長の前川です。矯正治療を考えている方の中には、「歯並びを整えるために歯を動かした結果、歯根が飛び出てしまうことがあるのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、矯正治療によって 歯の位置が大きく変化することで歯根が露出するリスク もありますが、適切な診断と治療計画のもとで行えば、リスクを最小限に抑えることが可能です。
1. 矯正治療で歯根が飛び出す原因とは?
矯正治療で歯根が飛び出してしまう主な原因は、以下のようなものが考えられます。
✅ 歯槽骨の厚みが不足している場合
歯を支える骨(歯槽骨)がもともと薄い場合、矯正治療で歯を大きく動かすことで 歯槽骨の外側に歯根が突出することがあります。
✅ 歯の移動が急激すぎる場合
矯正治療では 適切な力を加えて徐々に歯を移動させることが重要 です。過剰な力をかけたり、無理に歯を移動させると、 歯根が骨の外側へ押し出されてしまう可能性 があります。
✅ 歯肉退縮(歯ぐきが下がる)による影響
矯正治療を行うと、歯並びは改善されますが、歯の位置が変わることで 歯ぐきのボリュームが減り、歯根が見えてしまう ケースもあります。特に 加齢や歯周病 などが関係する場合、注意が必要です。
✅ 歯周病が進行している場合
歯を支える骨が歯周病によってダメージを受けていると、矯正治療で歯が動いた際に 歯根が骨の外に飛び出しやすくなる ことがあります。そのため、 歯周病がある場合は、治療後に矯正を行うのが理想的です。
2. 歯根の飛び出しを防ぐための対策
矯正治療を安全に進めるためには、 事前の診断と適切な治療計画 が重要です。
✔ 精密検査(レントゲン・CTスキャン)を行う
矯正治療前には、 歯槽骨の厚みや歯根の状態をしっかり確認するための精密検査が必要 です。3D画像を活用することで、骨の厚みや歯の動きをシミュレーションし、リスクを最小限に抑えられます。
✔ 適切な力加減で歯を移動させる
矯正治療では、 ゆっくりと歯を動かすことが歯根の健康を守るカギ です。過剰な力を加えると骨の吸収が起こりやすくなるため、適切な治療ペースを守ることが重要です。
✔ 必要に応じて歯肉移植や補強処置を行う
もし歯根が飛び出してしまった場合、 歯肉移植(結合組織移植術) や 歯槽骨の補強 などの処置を行うことで、歯ぐきや骨の状態を改善できることがあります。
✔ 矯正前に歯周病治療を行う
歯周病がある場合、 矯正治療を行う前に必ず歯周病治療を受けることが大切 です。健康な歯ぐきと骨の状態を整えることで、矯正治療中のリスクを減らせます。
3. すべての矯正治療で歯根が飛び出すわけではない
歯根が飛び出してしまうケースはありますが、 適切な診断と治療を行えば、ほとんどの場合問題なく矯正治療を受けることが可能 です。
✅ 裏側矯正(舌側矯正) では、歯の裏側から力を加えるため、 歯根が飛び出すリスクを抑えながら矯正できる 場合もあります。
✅ マウスピース矯正(インビザライン) では、ワイヤー矯正と異なり 徐々に歯を移動させるため、適切に管理すればリスクを軽減できる ことが特徴です。
4. まとめ:矯正治療で歯根が飛び出すリスクとその対策
