2024年11月06日
こんにちは、院長の前川です。矯正治療を考える際、よく聞かれる質問の一つに「親知らずは残しておくべきか、それとも抜くべきか?」というものがあります。親知らずは、他の歯とは違った生え方をすることが多く、特に矯正治療とどう関係するのか気になる方が多いですよね。今回は、親知らずと矯正治療の関係について、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。
親知らずの位置と矯正治療への影響
親知らずは、一般的に18歳前後で生え始めることが多いですが、顎の大きさやスペースの問題で真っ直ぐ生えなかったり、場合によっては埋まったままのこともあります。親知らずがきちんと生えずに周りの歯を押してしまうと、せっかく矯正で整えた歯並びが後戻りしやすくなることがあるんです。ですので、矯正治療中や治療後の歯並びを安定させるために、親知らずを抜くことが勧められる場合も少なくありません。
どんなケースで親知らずが抜歯されるか?
矯正治療で親知らずの抜歯を勧めるのは、以下のようなケースが多いです:
- 親知らずが斜めや横向きに生えている場合:他の歯を圧迫していることがあり、放置すると歯並びに影響を与える可能性が高くなります。
- 歯並びを維持するためのスペースが必要な場合:矯正治療で奥歯を後方に移動させる際、親知らずがスペースを邪魔していることがあります。この場合、親知らずを抜くことでスペースを確保し、理想的な歯並びに近づけることができます。
- 親知らずの周りが虫歯や炎症を起こしやすい場合:親知らずは歯ブラシが届きにくく、炎症や虫歯が起きやすい位置にあります。矯正後の健康な歯並びを維持するためにも、こうしたリスクを取り除くために抜歯が選択されることがあります。
親知らずを残す選択も
ただし、すべての矯正治療で親知らずを抜くわけではありません。親知らずがまっすぐ生えていて、他の歯を押さない場合やスペースに余裕がある場合には、抜かずに残すこともできます。親知らずがきれいに生え、健康な状態を維持できるならば、そのまま管理することも選択肢のひとつです。また、下顎の親知らずは唇の神経のとても近くに生えてることがあり、親知らずを抜くことで神経を傷つける恐れがある場合はあえて抜かない選択をする場合もあります。
抜歯をするかどうかの判断基準
私たち矯正医は、親知らずを抜くかどうかの判断をする際に、まずX線やCTスキャンでその生え方や周りの歯との関係性を確認します。そして、患者さんの歯並び全体のバランスを見ながら、抜歯がベストかどうかを丁寧に考え、個別にアドバイスをしています。治療後に長期的に安定した歯並びを保つため、親知らずがどのように関わるかをしっかりと診断することが重要です。
不安なことがあればご相談を
親知らずについては不安を抱える方が多くいらっしゃいます。親知らずが矯正治療や歯並びにどう影響するのか、皆さんが納得できるまでしっかりとお話しさせていただきます。どんな小さな疑問でも遠慮なくご相談ください。