2024年11月04日
こんにちは、院長の前川です。今日は「矯正治療で抜歯が必要なのか?」という、多くの患者さんが抱く不安についてお話ししたいと思います。「歯を抜くなんて痛そう…」「なるべく抜かずに治したい!」と感じるのは、当然のことです。今回は、なぜ抜歯が勧められる場合があるのか、抜歯がどんな役割を果たすのかについて、わかりやすくご説明いたします。
なぜ矯正で抜歯が必要になるのか?
まず最初にお伝えしたいのは、私たち矯正医の多くは可能であれば非抜歯で矯正治療を行いたいと思っています。患者さんへの負担や治療期間を考えると当然のことです。ただどうしても、治療上抜歯が必要な場合があります。矯正治療で抜歯が必要になるのは、主にスペース(空間)を確保するためです。歯並びが乱れる理由の一つは、顎が小さく、すべての歯を並べるためのスペースが足りないことにあります。このような場合、抜歯をすることで歯が並ぶためのスペースを確保し、全体のバランスが整いやすくなります。
例えば、重なり合ってしまっている歯があると、そのままではきれいに並べることができません。そのまま詰め込むように並べると、後々歯並びが戻りやすくなったり、噛み合わせの問題を引き起こしたりすることもあります。歯を抜くことによってスペースができ、無理なく並べることができるため、より長く安定した歯並びを維持できるのです。
どのようなケースで抜歯が必要か?
抜歯が必要かどうかは、患者さんの口の状態によって異なります。例えば、以下のような場合には抜歯を検討することが多いです。
- 重度の叢生(歯が重なっている状態):顎の中で歯が並ぶスペースが全く足りない場合。
- 前歯が突き出しているケース:スペースを確保して、前歯の突出を改善するため。
一方で、すべてのケースで抜歯が必要なわけではありません。最近では、矯正用アンカースクリューや矯正装置も進化しており、抜歯をせずに歯並びを改善できるケースも増えてきています。
抜歯には慎重に判断します
抜歯はあくまでも「選択肢の一つ」です。私たち矯正医は、患者さんの不安やご希望をよく伺いながら、最善の治療計画を一緒に考えていきます。抜歯が避けられるなら、その選択肢を探るのはもちろんのこと。仮に抜歯が必要な場合も、どの歯を抜くか、どのように並べていくかを綿密に計画し、自然で美しい歯並びを実現できるよう努めています。
抜歯への不安がある方へ
「抜かないと治らない」と言われて戸惑うこともあるかと思います。実際に抜歯を伴う矯正治療を行った患者さんの中には、治療後に「思い切って治療してよかった!」と笑顔でおっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。ご自身の笑顔や横顔の変化に驚かれる方も多く、私たちもその瞬間に立ち会えることを嬉しく感じています。
歯並びや口元の美しさを実現するためには、一人ひとりに合った治療が必要です。ご不安な点は何でも遠慮なくご相談ください。皆さんが納得し、安心して治療を受けていただけるよう、つばさ矯正歯科は常にサポートしていきます。