2024年11月02日
こんにちは、院長の前川です。
「矯正治療には年齢制限はありますか?」というご質問は、矯正治療をお考えの患者さまからよくいただく内容です。まずお伝えしたいのは、矯正治療に「絶対的な年齢制限」はないということです。年齢に関わらず、「きれいな歯並びや正しい咬み合わせ」を求める気持ちがある方には、年齢に関係なく治療の選択肢があります。
年齢に応じた矯正治療の特徴
とはいえ、矯正治療においては年齢によって治療のアプローチが少し異なります。お子さまから大人まで、それぞれの年齢層ごとに異なる治療の利点や注意点がありますので、詳しくご説明いたします。
1. 子どもの矯正治療(主に小児期、10歳前後)
子どもの矯正治療の大きな特徴は、成長を利用して歯や顎の位置を改善できることです。乳歯から永久歯への生え変わりや、顎の成長が進むこの時期は、歯並びや噛み合わせを改善するチャンスと言えます。早期に適切なアプローチをとることで、抜歯の可能性を減らし、自然なかたちでの改善が期待できます。
2. 思春期〜若年成人(10代後半から20代)
この年齢層の方は、ほぼすべての永久歯が生え揃い、顎の成長も落ち着いています。大人に近い治療アプローチが可能であり、また若いことで歯の動きも比較的スムーズです。この時期の矯正は見た目への関心も高く、歯列矯正器具を目立たなくする舌側矯正や、インビザラインの選択肢が人気です。
3. 大人の矯正治療(成人以降、20代後半〜)
大人の矯正治療の需要は近年急増しており、「歯並びを整えたい」「口元を美しくしたい」という美容的な理由はもちろん、健康面でも矯正治療のメリットが認識されるようになっています。特に噛み合わせや歯磨きのしやすさが改善され、将来的な歯の健康にも良い影響を与えるため、30代から60代の方まで多くの患者さまが矯正を選ばれています。
ただし、大人の矯正治療では、歯や歯茎の健康状態が重要になります。長い年月の中で、歯周病や虫歯などの問題が生じていることが多く、それらの治療と並行して矯正を行うケースも少なくありません。そのため、治療期間が少し長くなったり、歯の動きがゆっくりである場合もあります。しかし、しっかりとした治療計画を立てることで、多くの患者さまがご満足いただける結果を得られています。
高齢の方の矯正治療について(60代以降)
矯正治療は年齢を重ねても行うことが可能です。実際、60代、70代、さらには80代の患者さまが矯正を始められるケースも珍しくありません。私が過去に治療させていただいた患者さまにも、当時79歳の方もいらっしゃいました。年齢に関わらず「自分の歯をより健康に保ちたい」「美しい口元でいたい」という気持ちはとても大切です。
この年齢層では特に、健康な歯と歯茎を維持するための矯正治療が注目されており、例えば入れ歯やブリッジ、インプラントと併用するケースもあります。もちろん、歯の動きは年齢とともにゆっくりになりますが、根気強く治療を続けることで改善が見込まれます。
矯正治療を始める際に大切なこと
年齢にかかわらず、最も大切なのは「今の自分にとって最適な治療を選ぶこと」です。矯正治療には、表側矯正、マウスピース型矯正、舌側矯正など様々な方法があり、ライフスタイルや口腔内の状態によって選べる治療法も異なります。歯科医師としっかり相談し、自分にとって無理のない方法を選ぶことで、より良い結果が期待できます。
矯正治療は、一生の中での「自分への投資」であり、決して遅すぎることはありません。歯並びを整えることで毎日の生活が快適になり、笑顔や健康に自信を持つことで、人生がより豊かになります。矯正治療を考え始めたら、年齢に関係なくぜひ一度つばさ矯正歯科にご相談ください。