2024年12月14日
こんにちは、院長の前川です。今日は「歯肉退縮」についてお話しします。この言葉、聞いたことはありますか?普段はあまり意識されないかもしれませんが、実はお口の健康に深く関わる重要なテーマなんです。歯肉退縮が進むと歯が長く見えるだけでなく、健康面や見た目にも影響を与えることがあります。そんな歯肉退縮について、詳しく、そして分かりやすくお伝えしますね。
歯肉退縮とは
歯肉退縮とは、その名の通り「歯ぐき(歯肉)が下がる」状態のことを指します。歯を包み込んで保護している歯ぐきが後退してしまい、通常は歯ぐきに隠れている部分の歯の根が見えてくる状態です。このような状態になると、見た目だけでなく、歯や歯ぐきの健康にも影響を及ぼします。
例えば、鏡を見て「なんだか歯が長くなった気がする」「歯と歯ぐきの境目が不自然に見える」と感じたら、それは歯肉退縮が始まっているサインかもしれません。
歯肉退縮の原因
歯肉退縮にはさまざまな原因があります。その中でも、主なものを挙げてみますね。
歯磨きの力が強すぎる
毎日の歯磨きで力を入れすぎると、歯や歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。このような過度なブラッシングが続くと、歯ぐきが徐々に下がっていくことがあります。
歯周病
歯周病は歯を支える組織が破壊されていく病気です。歯周病が進行すると、歯ぐきが炎症を起こして退縮することがあります。
噛み合わせの問題
歯の噛み合わせが悪いと、一部の歯に過剰な力がかかり、歯ぐきにも影響を与えることがあります。その結果、歯ぐきが下がってしまう場合があります。
加齢
年齢を重ねるにつれて、歯ぐきが自然に後退することがあります。これは老化の一環とも言えますが、適切なケアで進行を遅らせることができます。
矯正治療
矯正治療中に過度な力が歯にかかることで、一部のケースでは歯ぐきが下がることがあります。ただし、適切な計画とケアでリスクを最小限に抑えることが可能です。
舌癖や口呼吸
舌が歯に過度に押し付けられる癖や、口呼吸をしている場合も、歯ぐきに影響を与えることがあります。
歯肉退縮がもたらす影響
歯肉退縮が進行すると、以下のような影響が出ることがあります。
見た目の変化
歯が長く見えることで、見た目が老けて見えることがあります。笑顔にも影響を与えることがあるため、気にされる方が多いです。
歯の知覚過敏
歯ぐきが下がると歯の根が露出します。歯の根はエナメル質ではなく象牙質で覆われており、外部刺激に敏感です。そのため、冷たいものや熱いものを飲食するときに「キーン」とした痛みを感じることがあります。
歯周病のリスク増加
歯ぐきが下がることで歯周ポケットが深くなり、プラークや歯石がたまりやすくなります。その結果、歯周病が進行しやすくなることがあります。
歯肉退縮の予防と治療
歯肉退縮を予防し、進行を食い止めるためには以下のことが重要です。
正しい歯磨き習慣を身につける
力を入れすぎず、適切なブラッシングを心がけましょう。歯ブラシの選び方も重要で、柔らかめの歯ブラシを使うのがおすすめです。
歯科検診を受ける
定期的に歯科検診を受けることで、歯肉退縮の早期発見と適切なケアが可能になります。
歯周病の治療
もし歯周病が原因であれば、歯科医院での専門的な治療が必要です。スケーリングやルートプレーニングといった処置が行われます。
矯正治療中のケア
矯正治療中は歯ぐきに負担がかからないよう、歯科医師と連携しながら適切なケアを行いましょう。
歯肉移植手術
進行した歯肉退縮には、歯肉移植手術という選択肢もあります。この手術では、自分の口の中から採取した健康な歯ぐきを移植することで、下がった歯ぐきを補います。
最後に
歯肉退縮は見た目や健康に影響を及ぼす問題ですが、早めに気づいて対処することで、進行を防ぐことができます。気になる症状がある場合は、ぜひ一度歯科医院でご相談ください。適切なケアと治療で、健康な歯ぐきと美しい笑顔を保ちましょう。
お口の中のことはなかなか自分では気づきにくいものです。だからこそ、私たちがしっかりサポートいたします。少しでも気になることがあれば、いつでもお気軽にお問い合わせくださいね!