2024年11月10日
こんにちは、院長の前川です。今日は、矯正治療の中でも見逃せない「口呼吸」についてお話ししてみたいと思います。多くの方が無意識に口呼吸をしてしまうことがありますが、実はこれが長期的に健康や歯並びにさまざまな影響を及ぼすことをご存知でしょうか?
口呼吸がもたらすリスク
口呼吸のリスクを挙げると、いくつかの影響が考えられます。まず一つ目に、口を常に開けている状態が続くと、口の中が乾燥しやすくなります。これにより唾液の分泌が減り、歯や歯茎が保護されにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、口腔内が乾燥することで、口臭の原因にもなりかねません。
さらに、口呼吸は顔の成長にも影響を与えます。特に成長期の子どもにとって、口呼吸は顎の発達や歯並びにも大きく影響します。口呼吸が長期間続くと、上顎が狭くなり、出っ歯や開咬(歯が噛み合わない状態)など、歯並びに問題が生じやすくなるのです。また、口呼吸を続けていると、自然と前かがみの姿勢が増え、体全体のバランスにも悪影響を及ぼします。
口呼吸と矯正治療
実際に矯正治療の場面では、口呼吸の方は舌の位置などの影響で歯並びが乱れている傾向が強く、特に上顎が狭くなっていることが多いです。このような方には、口呼吸から鼻呼吸へと改善することが、矯正治療の効果をさらに引き出すためにも非常に重要です。
矯正治療を通して歯並びを改善するのはもちろんのこと、口呼吸そのものの改善も並行して目指していきます。場合によっては、トレーナー装置や口腔筋機能療法(MFT)と呼ばれるリハビリ方法を用い、舌や口周りの筋肉のトレーニングを行うことで、口呼吸から鼻呼吸へと導くことができます。これにより、治療後も安定した歯並びを保つことが期待できるのです。
口呼吸の改善がもたらす健康効果
鼻呼吸に変わると、健康面でもさまざまなメリットがあります。鼻は天然のフィルター機能を持っているため、細菌やウイルスなどをある程度取り除いてから空気が肺に届きます。これに対し、口呼吸ではフィルター機能が働かないため、喉が痛みやすくなったり、アレルギーが悪化するリスクも考えられます。鼻呼吸を習慣づけることで、免疫力が向上し、身体全体の健康にも良い影響が期待できるのです。
最後に
口呼吸は、健康面や生活習慣に深く関わる問題です。矯正治療は単に見た目を整えるだけでなく、口呼吸の改善を通して健康的な生活習慣へと導くものでもあります。