2024年12月06日
こんにちは、院長の前川です。矯正治療に興味をお持ちの方からよくいただく質問の一つが、「矯正治療は痛いのですか?」というものです。痛みに対する不安は、治療を始めるかどうかを悩む一因になることもありますよね。今日は、矯正治療中の痛みの原因やその仕組み、そして痛みへの対処法についてお話ししたいと思います。
矯正治療中の痛みは「歯が動いている証拠」
矯正治療で感じる痛みは、歯を動かす過程で起こる「生体反応」によるものです。矯正装置が歯に力を加えると、その力が歯の根っこを通じて歯槽骨(歯を支える骨)に伝わります。歯が動くためには、骨がリモデリング(再形成)される必要があります。
歯が押される側の骨は吸収され、スペースが作られます。
引っ張られる側の骨は新しく形成され、歯を支える役割を果たします。
この一連のプロセスで周囲の組織に炎症が生じ、一時的に痛みや違和感を感じることがあるのです。
痛みのピークはいつ?
矯正治療の痛みは、装置を装着した直後や調整を行った後に感じやすくなります。特に装置を初めて装着した際には、歯や歯ぐきが矯正力に慣れていないため、違和感や圧迫感が強く出ることがあります。一般的には痛みのピークは調整後の24~48時間以内に訪れます。
その後、痛みは徐々に軽減し、数日から1週間程度で慣れる方がほとんどです。
痛みの感じ方には個人差がある
痛みの感じ方は個人差が大きいものです。痛みに敏感な方もいれば、「特に気にならなかった」とおっしゃる方もいます。また、痛みの強さは治療内容や使用する装置によっても異なります。例えばワイヤー矯正では、調整後に歯が動くことで痛みを感じやすいです。
マウスピース矯正の場合、装置交換時に軽い圧迫感を感じることがありますが、比較的痛みが少ないとされています。
矯正治療中の痛みを軽減する方法
痛みを完全に避けることは難しいですが、いくつかの方法で軽減することが可能です。
痛み止めを活用する
市販の鎮痛剤(例:イブプロフェン)を服用することで、痛みを和らげることができます。ただし、服用する前には医師に相談してください。
柔らかい食べ物を摂る
痛みが強い時期は、固い食べ物を避け、スープやヨーグルト、卵などの柔らかい食材を選ぶとよいでしょう。
歯のマッサージを行う
指で歯ぐきを優しくマッサージすることで、血流が促進され、痛みが和らぐことがあります。
冷やす
痛みを感じる部分に冷たいタオルや氷を軽く当てると、炎症が抑えられます。
痛みが続く場合は相談を
矯正治療中の痛みは一時的なもので、通常は軽減します。ただし、以下のような症状が見られる場合は、早めに歯科医に相談してください。
- ・強い痛みが1週間以上続く
- ・装置が頬や舌を傷つけている
- ・歯や歯ぐきに異常が見られる
痛みは「治療が進んでいる証」
矯正治療中の痛みは、「歯が正しい位置に動いている証拠」です。痛みを感じることは誰にとっても辛いものですが、それが理想の歯並びに近づいている過程だと理解すると、少し気持ちが楽になるかもしれません。
矯正治療後の喜び
矯正治療を終えた患者さんの中には、「治療中の痛みは気にならなくなるほど満足している」と話される方が多いです。歯並びが整い、笑顔に自信を持てるようになることで、痛みや不安が報われたと感じられるのではないでしょうか。
矯正治療は長い道のりですが、私たちは患者さんがその道のりを少しでも快適に進めるよう、全力でサポートします。不安なことや痛みについて気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に理想の笑顔を目指して頑張りましょう!