2024年11月30日
こんにちは、院長の前川です。矯正治療を考える際に、多くの方が気になるのは「自分の歯並びは治せるのか?」という点です。特に舌側矯正(リンガル矯正)は、その見た目の自然さから人気がありますが、「どんな症例でも舌側矯正で治せるのか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。今回は、舌側矯正の得意分野や限界について、なるべく分かりやすくお伝えしたいと思います。
舌側矯正とは?
舌側矯正とは、歯の裏側に矯正装置を装着して歯並びを整える治療方法です。この装置の最大の魅力は「装置が目立たないこと」。装置が表側にないため、笑顔になったときでも装置が見えることを気にせずに過ごせます。特に、人前に出る機会が多い方や、仕事柄見た目に気を使う必要がある方には理想的な矯正治療といえます。
しかし、どんなに優れた治療法でも得意・不得意があります。舌側矯正が得意とする症例もあれば、適応が難しいケースもあります。それでは、どのような症例が舌側矯正で難しいとされるのか、詳しく見ていきましょう。
舌側矯正が得意とする症例
舌側矯正は、ほぼ全ての矯正治療に対応できる万能な治療法です。たとえば
前歯の軽度から重度の不正咬合
軽度〜重度の出っ歯(上顎前突)
軽度〜重度の叢生(歯が重なり合って生えている状態)
開咬(前歯が閉じない状態)
これらの症例は、舌側矯正でも十分に治療が可能です。治療中の見た目を気にすることなく、安心して進められるのが大きなメリットです。
舌側矯正で難しい症例
舌側矯正は非常に優れた治療法ですが、以下のような症例では注意が必要です。
極端な骨格性の不正咬合(外科手術が必要な場合)
骨格そのものに問題がある場合(例:上下の顎の大きさのバランスが大きく崩れているケース)では、舌側矯正だけでの治療は難しいことがあります。このような場合は、外科的矯正治療が必要になることがあります。
非常に深い噛み合わせ(過蓋咬合)
噛み合わせが深すぎると、装置が下の歯に接触してしまうことがあります。この場合、他の治療法が優先されることもあります。
舌側矯正が難しい場合の選択肢
舌側矯正が難しいと診断された場合でも、他の治療法で解決できるケースがほとんどです。たとえば
ハーフリンガル矯正
上の歯だけを舌側矯正にして、下の歯は表側矯正にする方法です。これにより、舌側矯正の見た目の良さを活かしつつ、下の歯の治療を効率的に行うことができます。
マウスピース矯正(インビザライン)
軽度から中程度の症例では、透明なマウスピースを使用した治療が可能です。ただし、マウスピース矯正にも得意・不得意があるため、専門医と相談が必要です。
舌側矯正の診断の重要性
舌側矯正が適応するかどうかは、矯正歯科医による精密な診断が必要です。当院では、患者さん一人ひとりの歯並びや骨格の状態、生活スタイルを考慮して最適な治療法をご提案しています。もし舌側矯正が難しいと診断された場合でも、他の治療法でのアプローチをご説明し、納得いただけるまでお話ししますのでご安心ください。
おわりに
舌側矯正は、治療中の見た目に配慮した優れた矯正治療ですが、どんな治療法にも向き不向きがあります。重要なのは、患者さまの希望や生活スタイルを尊重しながら、最適な治療法を選ぶことです。
「舌側矯正ができるか不安」という方も、まずは一度お気軽にご相談ください。当院では、どんな些細な質問にも丁寧にお答えし、患者さまの笑顔を一緒に作るお手伝いをさせていただきます。