2024年11月14日
こんにちは、院長の前川です。矯正治療を始めるにあたって、どの方法を選ぶべきかと悩まれる方は多いかと思います。特に「見た目」「治療の快適さ」「治療中のライフスタイルとの両立」といった点で、舌側矯正、表側矯正、マウスピース矯正の違いが気になりますよね。それぞれに特有のメリットとデメリットがあり、皆さまの状況やご要望に応じておすすめの方法が異なります。ここでは、それぞれの矯正方法について詳しく解説し、皆さまが最適な選択ができるようお手伝いします。
1. 舌側矯正(リンガル矯正)
舌側矯正は、歯の裏側(舌側)に装置を装着する方法です。表からは見えないため、周囲の人に気づかれずに矯正治療を進めたい方に最適です。矯正治療の中でも特に目立ちにくい方法として、仕事で人前に出る機会が多い方や、プライベートでも矯正装置が気になる方から非常に人気があります。
メリット
- 見えない装置で気づかれない:歯の裏側に装置があるため、矯正治療中であることが周りにわかりません。
- 効果的な治療が可能:ワイヤーとブラケットを使うため、細かな力の調整が可能で、しっかりと歯を動かせます。
デメリット
- 装置に慣れるまで時間がかかる:舌に装置が当たるため、最初のうちは違和感を感じやすく、発音も少し難しくなることがあります。ただ、数週間から1カ月ほどで慣れる方が多いです。
- 費用が高い:一般的に表側(ラビアル)矯正よりも技術が必要なため、費用が高くなる傾向があります。
2.表側矯正(ラビアル矯正)
表側矯正は、歯の表側に装置をつける矯正方法です。いわゆる「ワイヤー矯正」として多くの方に馴染みのある方法であり、長年の実績があり、信頼性も高い治療法です。装置は目立ちやすいですが、装置自体も目立たない色や素材のものが増え、患者さんの希望に合わせた選択が可能です。
メリット
- 治療の効果が高い:ワイヤーの力がダイレクトに歯に伝わるため、歯の移動を細かく調整しやすいです。複雑な歯並びのケースにも対応しやすいという大きなメリットがあります。
- 費用が比較的抑えられる:表側に装置をつけるため、裏側に比べて技術的な手間が少なく、費用も比較的抑えられる傾向があります。
デメリット
- 装置が目立つ:特に金属のブラケットだと装置が見えるため、人前に出る仕事をしている方には抵抗がある場合もあります。しかし、セラミックやプラスチック製の目立ちにくい装置も選択肢に含まれているため、見た目を気にされる方でも調整可能です。
3. マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明な取り外し可能なマウスピースを使って歯を動かしていく方法です。ワイヤーやブラケットを使用せず、歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースを定期的に交換し、少しずつ歯並びを整えていきます。
メリット
- 見えにくく取り外し可能:透明なマウスピースであるため、つけていることがほとんどわかりません。特に日常の食事や歯磨きの際には外せるため、普段の生活に支障が出にくいのが魅力です。
デメリット
- 装着時間を自分で管理する必要がある:マウスピースは取り外しが可能な分、1日20〜22時間以上装着しておく必要があります。装着時間を守らないと、歯が計画通りに動かないため、患者さん自身の管理が大切です。
- 対応できる症例が限られる:複雑な歯並びや、重度のかみ合わせ不正のケースには対応が難しいこともあります。
どの治療法を選ぶべきか?
どの治療法が最適かは、患者さんのご希望や生活スタイル、そして歯並びの状態によって異なります。例えば、人目が気になり、矯正治療をしていることをできるだけ周りに気づかれたくないという方には舌側矯正やマウスピース矯正が向いています。一方で、費用を抑えたい場合には表側矯正が良いでしょう。
特に、仕事の都合やお忙しい生活の中で、治療にかける時間や頻度も重要な選択ポイントです。また、長期間にわたる治療となるため、治療法の違いによる生活への影響も考慮し、自分にとって最もストレスが少ない方法を選ぶことが大切です。治療期間はどうしても長くなるため、ご自身が快適に、そして無理なく続けられる方法を選ぶことで、最終的なゴールに向かって確実に進めていけるでしょう。
最後に
矯正治療は、一人ひとりの希望や生活に応じて、異なる治療方法があります。どの方法にも一長一短があり、ご自身に合った方法を見つけることが、矯正治療を成功させるための大きな鍵となります。私たちと一緒に、どの方法が最適かをじっくりとお話しながら決めていきましょう。矯正治療は確かに時間と手間がかかりますが、治療後には自信を持って笑顔で過ごせる素晴らしい日々が待っています。