2024年10月30日
こんにちは、院長の前川です。今日は、矯正治療の観点から「口腔内の習癖」についてお話ししたいと思います。習癖というと大げさに聞こえるかもしれませんが、これは日常のなかでふと気づかないうちにしているクセのようなもの。実はこの習慣が、歯並びや顎の成長に大きく影響を与えることがあります。
子どもたちに多い「指しゃぶり」について
指しゃぶりは、お子さんによく見られる愛らしい行動ですね。もちろん、一般的には成長とともに自然にやめていくものですが、長く続いてしまうと歯や顎の発達に影響が出ることがあるんです。具体的には、上顎の前歯が前に押し出され、「出っ歯」や「開咬」と呼ばれる不正咬合の原因になることもあります。親御さんにとってもデリケートな問題ですが、つばさ矯正歯科では無理なく少しずつ改善していけるようご相談をお受けしています。
意外に多い「舌癖」の影響
次に、「舌癖」について。舌癖は無意識に行われる動作が原因で、ご本人も気づかないことが多い習慣です。舌が前歯を押し続けることで歯が外側に移動し、開咬や前歯が突出する原因になることがあります。特に成長期のお子さんに多く見られますが、大人の方にも時々見られる習癖です。矯正治療のカウンセリングを通じて初めて気づかれる方も多く、治療中にはこのクセを意識してコントロールするサポートも行っています。
花粉症やアレルギーが関わる「口呼吸」
「口呼吸」も、矯正治療の観点からは見逃せない習癖の一つです。本来、鼻呼吸が自然な形ですが、アレルギーや花粉症などが原因で口で呼吸することが増えると、口周りの筋肉や舌のバランスが崩れ、歯並びや顎の発育に影響が出ることがあります。特にお子さんの場合、口を開けている状態が長く続くことで歯のアーチが狭くなり、重なり合った歯や不正咬合につながるケースも見られます。
「唇をかむ癖」がもたらす影響
唇をかむクセも意外と多く見られる習癖です。特に小さいお子さんや、緊張しやすい方に多く見られる行動ですが、唇を頻繁にかむことで歯並びやかみ合わせに影響が出ることがあります。このクセが長期間続くと、唇に押されることで歯が少しずつ移動し、前歯が突出したり、噛み合わせが不安定になることがあるため注意が必要です。
だからこそ治療には時間が必要
矯正治療では、こうした「習癖」が実は後戻りの原因にもなります。歯並びを整えるのに加え、習慣を見直していくことで、矯正後も長く良い状態を保てるようにサポートするのが私たちの役割です。ただ、習癖は無意識に行われるため、すぐには改善できないこともあります。お子さんの場合は、ご家族の協力も必要で、少しずつサポートしながら改善を目指すようにしています。また、必要に応じて「口腔筋機能療法(MFT)」で舌や唇の筋肉の使い方をトレーニングし、正しい使い方を身につけるお手伝いも行っています。
つばさ矯正歯科では矯正治療を通じて、歯並びを美しく整えるだけでなく、患者さんが毎日笑顔で過ごせるような口腔内環境を整えるお手伝いをしています。気になる習癖がある方や、お子さんの歯並びや口腔の健康についてお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。