2024年10月25日
院長の前川です。今回はMFTについてお話していきたいと思います。矯正歯科において、MFT(Myofunctional Therapy: 口腔筋機能療法)は、口の周りの筋肉の機能を改善するための治療法です。特に、舌や唇、頬の筋肉が歯並びや咬合(噛み合わせ)にどのような影響を与えるかに着目し、それを適切に訓練・矯正することで、矯正治療の効果を高めたり、矯正後の後戻りを防いだりすることができます。
MFTの目的
- 口呼吸の改善
口呼吸は、舌や口周りの筋肉の不適切な使い方に関連し、歯並びに悪影響を与えることがあります。MFTを通じて、鼻呼吸を促し、正しい舌の位置や唇の閉じ方を習得させることができます。 - 舌癖の改善
舌癖(例えば、舌が前歯を押す癖など)は歯並びを悪化させる原因となります。MFTでは、舌がどこに位置し、どのように動くべきかを教えることで、歯にかかる不必要な圧力を減らします。 - 嚥下(飲み込み)の改善
正しい嚥下方法は、舌や口周りの筋肉が正しく機能するために重要です。嚥下が不適切だと、矯正治療で整えた歯並びが崩れることがあります。MFTは正しい嚥下パターンを促進します。 - 発音の改善
口周りの筋肉が正常に機能することは、発音にも影響します。舌や唇の動きが改善されることで、発音の問題も解消されることがあります。
MFTの具体的なトレーニング内容
- 舌の位置訓練: 舌が口の中でどこに位置するべきかを学びます。舌は通常、上顎の天井に軽く触れている状態が理想です。
- 唇のトレーニング: 口を閉じた状態で唇の筋肉を鍛えます。これにより、口呼吸の習慣を改善します。
- 嚥下の練習: 正しい嚥下方法を繰り返し練習することで、無意識のうちに正しく飲み込むことができるようになります。
- 呼吸法の改善: 鼻呼吸を意識的に行うことで、舌や口周りの筋肉の正しい使い方を促します。
MFTと矯正治療の関係
MFTは単独で行われることもありますが、特に矯正治療との併用が効果的です。矯正装置だけでは改善できない筋肉の使い方や癖をMFTで修正することにより、矯正の効果が持続しやすくなります。また、子どもの矯正治療において、早期にMFTを導入することで、歯並びや咬合の悪化を防ぐことができる場合もあります。
MFTの利点
- 長期的な安定性の向上: 筋肉の癖が改善されることで、矯正治療後の歯並びが安定しやすくなります。
- 自然な機能の回復: 口腔機能が正常に働くことで、自然な歯並びの維持が期待できます。
- 非侵襲的な治療: MFTはトレーニングによる治療法であり、手術や薬物療法のような侵襲性がないため、患者にとって負担が少ないです。
まとめ
MFTは、矯正歯科における重要なサポート治療として注目されています。舌や口の周りの筋肉の適切な機能を取り戻すことで、矯正治療の効果をより持続させるだけでなく、歯並びの悪化を未然に防ぐことが可能です。矯正治療を考えている場合や、治療後の歯並びを長く保ちたい場合、MFTの導入をぜひ検討してみる価値があります。つばさ矯正歯科ではMFTにも力を入れております。ぜひお気軽にご相談ください。