2024年10月19日
クラスB滅菌
院長の前川です。
つばさ矯正歯科では矯正治療は専門医として当然頑張っていますが、衛生環境にも細心の注意を払っています。
人の口腔内を治療するということは同時に菌やウイルスとの戦いでもあります。
今回は滅菌についてお話します。クラスBと聞くとあまりよく聞こえないかもしれませんが、最も良いとされるものです。
つばさ矯正歯科のクラスB滅菌器です。
クラスB滅菌器は、最も高性能なオートクレーブ滅菌器の一つで、特に歯科医院や外科医療施設などで使用されることが多い滅菌器の分類です。滅菌の基準は、EN 13060というヨーロッパの滅菌器規格によって定められており、この規格に基づいて、滅菌器は「クラスB」「クラスS」「クラスN」の3種類に分類されます。クラスBはその中で最も厳しい基準をクリアしたものです。
クラスB滅菌器の特徴
- プレバキューム機能(真空状態の形成) クラスB滅菌器は、プレバキューム機能を備えており、滅菌を始める前にチャンバー内を真空にします。このプロセスにより、器具の隅々まで蒸気が行き渡り、滅菌効果が向上します。特に複雑な形状や中空の器具(例えばハンドピースやカテーテル)でも、内部まで確実に滅菌できます。
- 多層・中空の器具に対応 クラスB滅菌器は、中空構造や多層にわたる器具の滅菌が可能です。他のクラスでは対応できない複雑な構造の器具や、滅菌パックに包まれた器具も滅菌できるため、幅広い種類の医療器具に対応できます。
- 高速な滅菌サイクル クラスB滅菌器は効率的なプロセスを持ち、短時間で滅菌を完了することができます。通常、滅菌サイクルは20~40分程度で、医院の運営にとって重要な「器具の回転率」を高めることができます。
- 乾燥機能 滅菌後には、滅菌した器具を完全に乾燥させる機能がついています。これにより、滅菌後すぐに器具を使用することができ、器具の劣化や腐食を防ぐ効果もあります。
- 滅菌確認機能 クラスB滅菌器には、滅菌プロセスを記録・確認するためのシステムが備わっており、院内感染防止のための記録を保持することが可能です。これは、滅菌の正確さを確認し、トレーサビリティを確保するための重要な機能です。
クラスB滅菌器の使用におけるメリット
- 安全性の向上: プレバキューム機能により、器具の内部や複雑な部分も確実に滅菌できるため、患者やスタッフへの感染リスクを大幅に低減します。
- 幅広い適応性: クラスB滅菌器は、布製品やラバー製品、金属器具など、様々な材質に対応可能です。また、包装された器具や中空器具も確実に滅菌できるため、使用用途が非常に広いです。
- 効率性の向上: 高速な滅菌サイクルにより、器具を効率よく回転させることができるため、診療のスピードアップや機器の待ち時間の短縮につながります。
- 信頼性の高さ: クラスB滅菌器は最も厳しい規格を満たしており、医療施設において最高水準の滅菌を保証します。
難しいことを色々書いてきましたが、簡単に言うとクラスB滅菌器は特に複雑な構造を持つ器具や、厳密な衛生管理が求められる歯科医院・外科医院で使用される、非常に高性能で信頼性の高い滅菌器です。これを導入することで、院内感染予防や患者の安全確保が大きく向上し、医療従事者も安心して治療に専念できます。どこのクリニックにでもあるものではありませんし、当然コストはかかりますが、滅菌に拘らなければそもそも医療とは言えないと考えています。皆さま、安心してご来院ください。